∞主義 | ナノ

5

「僕は白石透(シライシ トオル)。すごい名前でしょ?」

「・・・確かに。やたら清らかですね。」

ふふ、と笑った透は、真っ直ぐに見つめてきた。

「敬語、使わなくていいよ。」
「先輩でしょう?」
「使わないで。」
「・・・りょーかい。」

けっこう頑固っぽいな、この人。


「如月更夜」

「ふぅん。よろしくね、更夜。」

いきなり名前呼び捨てかよ、とか思うけど、別に気にしない。

「よろしく、透。」

こっちも呼び捨てにすればアイコだし。


「携帯、出して」

透は素早く赤外線受信を済ませ、にっこりと笑う。

「いつでも連絡してよ」

それと、と言葉を続けると、制服の中から1枚のカードを取り出す。
金色のそれは、なんかクレジットカードみたい。

「僕の部屋のスペアキー」

「は、貰っちゃっていいわけ?」

無用心すぎじゃねぇ?、と首を傾げる。


「更夜は特別。他人なんかにあげないでね。」

「特別ってイイ響き。」
思わず顔が綻ぶ。

「じゃ、透は友達2号な。」
にっと笑いかけると、透は複雑そうな顔をした。

「もう1号いるんだ。」

思わず俺が声をあげて笑うと、一緒に笑ってくれた。


迷子になりかけたけど、透に会えた。

結果おーらい!

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