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「え?あぁ、ありがとーございました。」
一応お礼は言っておく。
褒め言葉はありがたく受け取れっていう家訓だ。
軽く会釈して、エレベーターから降りる。
・・・・あれ?なんで美形サンも降りてんの。
「4階に用事だったんですか?」
この人、さっき上から来たんじゃなかったっけ。
「ねぇ、名前はなんてゆうの?」
思わず立ち止まってた俺に近づいて、美形サンはそう問いかけた。
・・・答えない理由は無いんだけど。
「人に名前を聞くときは、自分から名乗りましょうね?」
それが礼儀ってもんだろ。
譲れない事は譲らないで良し。
場合によっては、喧嘩で相手を負かす。
これ、俺のモットー。
「・・・ふふっ。」
あ。
雰囲気、ガラリと変わった。
「それが本性ですか。」
いきなり優しげな王子が消えて、企んでるような笑顔を浮かべた男になった。
「気に入っちゃった。僕にそんな事言う子、初めて。」
「・・・それはどうも。」
周りは美形だからって、遠慮でもしてんのか?
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