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こんな無駄なこと、考えてる場合じゃないか。
今は自分の身の安全を確保することが第一だ。
とりあえず、歩いてみることにしよう。
授業中だったとしても、誰か1人くらいは居ていいだろう。
使用人の人とか、先生とか。
希望を持って俺は歩き出した。
とりあえず、ずっと右に行ってみよう。
「・・・。選択肢ミス。」
左に行けば良かった。
誰もいねぇ。
なんの階なんだよ、ここは。
そんな俺に、運命の女神か神様か大仏様かお釈迦様か、とにかく、そんな中の1人が救いの手を差し伸べてくれた。
「エレベーター!」
島を見つけた漂流民の気持ちがよく分かる。
軽やかに発見したエレベーターの前に行って、ボタンを押す。
文明の利器、エレベーター。素晴らしい!
チン、と上品な金属音と共に、上から降りてきた箱。
左右に音も立てずに開く、綺麗な模様入りの扉。
乗ろうとした俺は、思わず足を止めてしまった。
だって、すっげぇ美形が乗ってるんだもん!
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