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「驚いた。」
まだ温もりが残っている気がする手を見て、そう呟く。
本当に、驚かされた。
この学園で、あんな子に会ったのは初めてだ。
サラサラした黒髪の、すごく綺麗な子。
女の子っぽいわけじゃないのに、本当に綺麗で見とれた。
強い色をした瞳に、真っ直ぐに伸びた背中。
凛としていて、でも無邪気で人懐っこい。
笑った時は、心臓が止まるかと思った。
「・・・危ないんじゃないかな。」
なんせ、この学園だ。
あんな子は、すぐに目を付けられるだろう。
「大丈夫だといいけど。」
少しでも力になれたらいい。
彼にとっての自分は友達1号、だから。
「歓迎するよ、更夜。」
何はともあれ、彼はこの学園へやってきたのだ。
ようこそ、一条学園へ
心の中で、そっと呟いた。
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