∞主義 | ナノ

3

「あなたのほうが年上でしょう?」

使用人だとか、そんなことどうでもいいだろ。
金持ちはそんなに礼儀知らずなのかよ。

「先輩に礼を尽くすのは、常識だと思いますが。」

軽く首を傾げて聞けば、相手は少し目を見開いた後、微笑んだ。


「・・・面白い方ですね。」

「それはどうも。庶民ですから。」

金持ちがつまり無礼者なら、俺は一生庶民でいい。

にっこり笑うと、相手も笑った。


「ですが、敬語は止めてくださいね。」

「そっちが止めるのなら。」

すかさず言うと、眉根を寄せた。

困った顔してるけど、やっぱり美形は美形だ。
美形ってカナリ得だと思う。


「分かったよ。」

しばしの沈黙の後、肩をすくめた田崎サンは、にっこりと笑った。

わぉ、さっきとはまた違う爽やかな魅力。
やっぱこの人、カッコイイ。


「じゃ、よろしく。更夜って呼んで。」

敵わないけど、精一杯の笑みで手を差し出す。

「うん。僕のことは、聡介って呼んでね。」

少し驚いた顔をした後で、聡介は笑って手を握った。


よっしゃ。


「友達1号!」

なんか、上手く学園生活出来そうな気がしてきたよ、俺っ!


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