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「あなたのほうが年上でしょう?」
使用人だとか、そんなことどうでもいいだろ。
金持ちはそんなに礼儀知らずなのかよ。
「先輩に礼を尽くすのは、常識だと思いますが。」
軽く首を傾げて聞けば、相手は少し目を見開いた後、微笑んだ。
「・・・面白い方ですね。」
「それはどうも。庶民ですから。」
金持ちがつまり無礼者なら、俺は一生庶民でいい。
にっこり笑うと、相手も笑った。
「ですが、敬語は止めてくださいね。」
「そっちが止めるのなら。」
すかさず言うと、眉根を寄せた。
困った顔してるけど、やっぱり美形は美形だ。
美形ってカナリ得だと思う。
「分かったよ。」
しばしの沈黙の後、肩をすくめた田崎サンは、にっこりと笑った。
わぉ、さっきとはまた違う爽やかな魅力。
やっぱこの人、カッコイイ。
「じゃ、よろしく。更夜って呼んで。」
敵わないけど、精一杯の笑みで手を差し出す。
「うん。僕のことは、聡介って呼んでね。」
少し驚いた顔をした後で、聡介は笑って手を握った。
よっしゃ。
「友達1号!」
なんか、上手く学園生活出来そうな気がしてきたよ、俺っ!
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