ようこそ、一条学園へ
「いらっしゃいませ。」
突然、静かな声が響く。
焦って、取り出した携帯を落としそうになった。
今のは機械を通した音声、だったよな。
でも、辺りを見渡しても、スピーカーなんてどこにも・・・
「左上の学園の文字の上手にございます。」
・・・あった。
横にカメラまで付いてる。
「如月様、ですよね。」
その言葉にコクコクと頷く。
こっちの声は聞こえるか分かんないし、ジェスチャーって大事だよな。
言葉の違いだって超えられるんだから。
「声を出してくださって結構です。学園の文字の下手のインターホンから、こちらへ聞こえますから。」
え、インターホン?
そんなものあったっけ。
・・・あった。
何で気付かなかったんだよ、俺。
馬鹿みたい、っていうか恥ずかしすぎるっ!
「少々お待ちください。」
その声が合図だったかのように、目の前の柵の扉が横に割れる。
こんな外見なのに、スライド式かよ!?
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