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俺のSOS信号を受け取って、父さんは肩をすくめた。
「父さん、仕事の都合で転勤なんだ。ニューヨークに。」
それは、初耳。
海外とか、いきなりもいいとこだよ。
「で、何で1人暮らし?」
一緒にニューヨークじゃないの、と首を傾げる。
すると、「きゃー」という奇声を上げた母さんに思いっきり肩を掴まれた。
「駄目!更ちゃん、こんな可愛いんだもの!」
「は?」
どんな理由だ、それは。
「可愛い」なんて言われても困る。
俺は母さんと違って、別に可愛くは無いし。
「アメリカの、しかもニューヨーク!あたしの可愛い更ちゃんが、危ない事件に巻き込まれちゃうなんて、ママ嫌ぁっ!!」
がくがくと揺さぶられてる俺は、正直気分悪い。
離して、母さん。
「いや、1人暮らしのほうが俺は不安だけど。」
料理とか、中学の調理実習以来やってないし。
俺が家事って・・・無理だろ。
「あ、それは大丈夫!叔父さんのトコに行ってもらうから。」
笑って、語尾にハートマークが付いてそうなくらい可愛く言う。
おじさん・・・・
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