∞主義 | ナノ

3


俺のSOS信号を受け取って、父さんは肩をすくめた。

「父さん、仕事の都合で転勤なんだ。ニューヨークに。」


それは、初耳。

海外とか、いきなりもいいとこだよ。


「で、何で1人暮らし?」

一緒にニューヨークじゃないの、と首を傾げる。

すると、「きゃー」という奇声を上げた母さんに思いっきり肩を掴まれた。

「駄目!更ちゃん、こんな可愛いんだもの!」

「は?」

どんな理由だ、それは。

「可愛い」なんて言われても困る。
俺は母さんと違って、別に可愛くは無いし。


「アメリカの、しかもニューヨーク!あたしの可愛い更ちゃんが、危ない事件に巻き込まれちゃうなんて、ママ嫌ぁっ!!」

がくがくと揺さぶられてる俺は、正直気分悪い。

離して、母さん。

「いや、1人暮らしのほうが俺は不安だけど。」

料理とか、中学の調理実習以来やってないし。
俺が家事って・・・無理だろ。


「あ、それは大丈夫!叔父さんのトコに行ってもらうから。」

笑って、語尾にハートマークが付いてそうなくらい可愛く言う。


おじさん・・・・


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