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ふるふると首を横に振る。
確かにこいつは危険なんだろうけど、嫌いなんかじゃない。
警戒はしてるけど、別に厭ってるわけじゃないんだ。
それにさ、俺は危険やスリルは好きだ。
喧嘩とかゲームとか、俺を興奮させて、生きてるって実感させてくれる。
それにまだ会ったばっかだしな。
よく分かんねえよ。
「…せやったら、なんで握手してくれへんの」
こてんと首を傾げる久賀は、ちょっとだけ拗ねた子供のようで、思わず笑ってしまった。
久賀も透も、目を見開いたけど、押さえがきかなかったんだ。
驚きと困惑をありありと浮かばせている透に、ごめんな、と謝っておく。
せっかく俺を守ろうとしてくれたのにな。
朗らかに笑えば、さっきまでの緊張なんてどこかへ行ってしまった。
リラックスした俺は、久賀を見つめて、問うてみた。
口元が少しにやりと歪んだから、なんか会長チックかもな。
「握手することで、俺たちの関係は他人や知り合いから何かに変わりますか?」
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