∞主義 | ナノ

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うんざりしながらも、仕方なく意識を無理やりにでも食に持っていこうとした。
腹減り度がもうマックスだからな。

するとその瞬間、騒音の中でも一際大きく響いた破壊音と、ぴたりと止んだ大合唱。


「え?」

一体何が起きたんだと、驚きに思わず隣を見る。
透は、ただ静かに眉を寄せただけだった。

「・・・透?」

下の異常もかなり気になるけど、なんだか透の様子もおかしい。
顔を覗きこむと、透は何も言わずに俺の腕を掴んだ。


「更夜、今から変な人が来ると思うけど・・・絶対に一言も話さないでね」

それは忠告とかお願いじゃなくて、きっぱりとした禁止令だった。

その勢いに押されて、思わず縦に頷く。


「やっほぉ、副会長サンと噂の編入生クン」

いきなり響いた声に振り返ると、1人の男がこちらへと歩きつつヒラヒラと手を振っていた。


確かに不思議というか、変というか、とにかくかなり奇抜な奴だった。

プラチナブロンドの髪に、黄緑やらピンクのメッシュが入っている。
ピアスも歩くたびにジャラジャラと鳴っていて、俗に言うとチャラ男。

イントネーションも、きっと関西の人のものだ。


だけど、一番の不自然さはそこじゃない。

にへら、と笑ってるのに、笑ってない。
笑顔を作ってるけど、その目に表情は無い。

整った顔は、なんだか気味の悪い人形のようにも思えた。


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