格差社会反対!
人が集まると、どうしてもガヤガヤ騒がしくなる。
仕方ないんじゃねぇかと思うし、俺だって騒ぐ奴だし、そんなに心が狭くもない。
だけどさ―…
これは、うるさすぎるっしょ!?
俺たちが食堂に入った途端、あがった歓声。
雄叫びはもちろん、女みたいな悲鳴が聞こえるんですけど!
隣の透はにこやかに手を振るけど、実際ちっとも楽しそうじゃない。
「透…っていうより生徒会って、人気ありすぎじゃね?」
声を潜めて、斜め前の透に尋ねる。
ただ廊下を歩いてる時も、悲鳴があがったり、凝視されたり。
ついでに俺まで見られるから、嫌だ。
本当に気まずい。
思わず殴りたくなるくらい気持ち悪い。
「…僕のせいだけじゃないんだけどね。自覚ないんだから。」
小さく微笑みながら、透はそう言った。
だけど俺を見た瞳の中に、呆れたような色があったような気がした。
ん―、気のせいか。
「だけどさ―、こんな中じゃ食べにくいじゃん」
不満を漏らした俺を、安心されるよう笑いながら透はさらりと言った。
「生徒会専用スペースで食べれば良いよ。」
は?
生徒会専用って、なんだそれ。
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