嗚呼、素晴らしき | ナノ
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こんなにあっさり勝って、そのうえ男らしくかっこよく説教まがいをするなんて。

ひどいなぁ、ちょっと興ざめだよねぇ。


嗚呼どうしよう、萌えが足りないよ。

いっそのこと、俺が裏で糸を操って陽を陥れようか。
会長たちの動きやら、流す情報やら、仕向ける奴らの調整やらをしっかりとして。

「…あ、いいかも。」

軽いひらめきだが、なかなかに良いように思える。
もちろん完全犯罪、俺は完璧な計画と準備、実行をする必要があるけれどね。
楽しそうな思いつきだ。

一般の良心は、友人を餌食にすることを悪であるとするけれど。

どうせ人間なんて、己自身の利のために生きてるんだしね。
友人だってなんだって、他人は所詮他人だし、利用しあいながら生きるものだ。

だから、より上手に相手を利用したもの勝ちだよね。
少なくとも俺はそう思って、そう行動してるよ。


「ん―、となると…。」

計画に最も必要なのは何だろうか。
人脈、かなぁ。
いやいや、影で操りたいんだから違うか。

なんて真剣に考えていた俺は、ふと足を止める。


しばらくの沈黙をおいた後、静かに語りかけた。

「…どちら様でしょうか。」


振り向けば、にこやかな笑顔の美形が陰から身を現した。


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