嗚呼、素晴らしき | ナノ
∴邪魔者は要らないよ


さてさて、現在の俺は第二の隠れ場所へと移動しながらにやけているよ。

理由は単純明快、耳から入ってくる萌えにある。


オタクがきもいんだよ、調子にのるんじゃねぇよ、身の程知らず、などという王道すぎて笑えてくる幼稚なセリフと共に絡まれた陽。

曲がったことや自分が悪だと思う行為を、とことん陽は嫌う。
そこで、反発してまっすぐに言い返した。

もちろん相手は激昂し、悪口はヒートアップ、さらには体育会系のごつい野郎共が登場した。
理由は言葉でわからないオタクを痛めつけ、強制的に分からせるためだ。

チワワちゃんたちってば、本当にえげつないなぁ。
萌えポイント突いてきて、嬉しすぎるなぁ。


俺はにやにやしながら、喧嘩の実況中継を耳で聞いている。
映像がなくていまいち分かりにくいのが難だけれどねぇ。

周りから見れば、1人で笑う俺は完璧な不審者だろう。
だけど、周りに人の気配は無いから、少しくらい自由にしたっていいと思う。


「・・・あれれれ、」

小さく呟いて立ち止まると、聴覚に集中する。

少し息の荒い陽が、相手方に説教まがいの引導を渡しているみたいだ。
いかにも正義のヒーロー、純粋で熱血なセリフが聞こえてくる。


「あっちゃー・・・」

いや、いいんだけれどね。
陽が強いことは分かったし、一件落着なのだろうけれどね。


「・・・そんな殺生な。」

思わず嘆いてしまうのも仕方ないだろう。

だって、ちょっと失敗もしくは相手方の卑怯な手によって陽は窮地に陥いり、そこを会長が助けて欲しかった。
もちろん窮地っていうのはフルボッコとか暴力的な制裁ではないからね。

少しはだけた陽に会長は欲情したり、さらにはキスなんかもして欲しかった。



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