嗚呼、素晴らしき | ナノ
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呼び声に顔を向ければ、相変わらずの笑みの会長が近づいてくるところだった。

美しく力強く傲慢な、魅了する笑顔。
あの表情は、嫌いじゃない。

周りの生徒の熱い視線の中、会長はぴたりと俺の前で止まった。

「久しぶりだな、京。」

面白そうに会長はくつくつと笑う。

笑われた理由が分からずに眉をしかめると、無言で隣を指される。
指先をたどれば、当然ながら大河がいた。

…少し、不機嫌に会長を睨んではいるが。


「いつの間にやら飼い主交代か。」

どうやら大河に問いかけたらしいが、当の本人は睨む力を強めただけだった。

これは完璧に会長を嫌ってるね。
陽を取り合うライバル同士だからかねぇ。


のんびり見ていると、こちらに視線を移した会長と思いっきり目が合った。

にやりと笑った会長は、少し声をひそめて呟いた。

「開会式。」

それに驚いた俺の肩を叩き、颯爽と会長は去っていった。

しかも捨てぜりふに、「おまえは俺が捕まえてやる」だなんて宣言して去っていった。


会長に威嚇しつつ、何の話かと聞いてくる大河には首を横に振っておく。


…開会式、本当に目が合っていたなんて思いもしなかった。
彼の視力は、マサイ族くらいあるのかもしれないね。


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