嗚呼、素晴らしき | ナノ
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なにが不本意かって、最後にさらりと説明されたクラスマッチの組み分けだよ。

流石に全校一斉ではなく、前半組と後半組に分かれる。
真澄の1Aは前半組、俺らの1Sは後半組になってしまったんだ。

1学年8クラスだから、全部で24クラス。
12クラスずつに分かれ、さらに鬼8クラス、逃げる4クラスに分かれる。

ちなみに俺たちも真澄も逃げる側だ。
数的にも立場的にも、逃げる側の方が絶対大変だよねぇ。

ちなみに、会長や副会長の2Sは後半組の鬼だった。
つまり俺と陽たちを追いかけるんだ。


なんだかなぁ。
流石に、全て思惑通りにことは行かないものだねぇ。

真澄が苦笑いしているのを横目に見つつ、心の中で呟く。


「な、京!頑張ろうな!」

無邪気に笑う陽に対し、さっさと捕まろうかなと考えていた俺。

だってねぇ、めんどうじゃない。
そんなに必死に汗かいて逃げて、だから何って話。

どんな利益があるの。
達成感とかそんなもの、俺は望んでいない。賞品にも興味はない。


「・・・うん、そうだねぇ。」

それなのに、俺はぽつりとそう言った。

本当になんとなく、ただの気まぐれなのだけれど。

考えを変えて、頭脳戦をしてみようかなと思ったんだ。

隠れたりしながら、陽を影から観察しようかなって。
やっぱり生で見たほうが萌えはあるだろうしね。


なんでわざわざ後をつけるのか。
一緒に行動するほうが早いじゃないか。

そう思った人もいるだろうけれど、俺自身は巻き込まれたくないからね。
それに、こんなにもやる気にあふれた陽と行動を共にするのは苦行だよ。


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