嗚呼、素晴らしき | ナノ
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4人で開会式のある第一体育館まで歩く。

そう、第一体育館だ。
ここには体育館が2つあるんだよ。
ただし、卒業式やら始業式などはイベント用の豪華なホールで行う。
本当に大金持ちの思考とやらは理解できないねぇ。


山並くんは俺に目も合わせず、何も変わったことは無かった。
陽は弾むように歩き、真澄は当たり障りの無い話をし、俺はのんびりと相槌をうつ。

あえて言うのならば、陽に対する罵詈雑言は山並くんの睨みによって常より少ない。
そして、楽しげに歩こうとも、完璧な変装後の陽が行うと少し不気味なだけだ。

俺に害は無いから口はつぐんでおくけれどね。


「はー、すっごい人だね・・・。」

既にちょっとばかり疲れた顔の真澄が、あたりを見渡して呟く。

「すっげぇ楽しみだよな!」

キラキラと青春の光かなにかを振りまきつつ、陽はにこにこと笑う。


対照的な2人を眺めつつ、すでに生徒の整列が完了しつつある体育館を静かに見渡した。

集まった学生は、大抵の者が楽しそうに騒いでいる。
たかがクラスマッチと言えど、全校規模であり賞品もあるのだ。

また、生徒会や人気者たちも強制的に出場させられている。


あぁ、ぜひ生徒会の方々は鬼ごっこに参加して欲しいな!

じゃなきゃ、楽しみは半減してしまうよね。

きっとあの副会長様なら、裏で画策してくれていることだろうけれど。
ほら、お気に入りの陽と同じ種目で仲良く遊べるように、ね。


何だかんだで俺も心待ちにしていたクラスマッチ。
きっと何かが俺を楽しませてくれるだろう。


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