∴待望のクラスマッチ
いよいよ今日は全校合同のクラスマッチ。
待ちに待ったイベント、本当に楽しみだねぇ。
おさらいしてみると、競技は5つ。
サッカー、野球、バレー、バスケ、そして鬼ごっこ。
ちなみに、普通のクラスは40人くらいいるけど、Sクラスは25人しかいないから、サッカーには参加できない。
まぁ、いいのだけれどね。
「ねぇ、京。本当に行くわけ・・・?」
おずおずと俺に幾度目かしれない確認をするのは、皆さまご存知の平凡受けのホープ真澄だ。
「当然。」
即答した俺は、真澄を安心させるように微笑む。
柔らかい髪を撫でながら、何度も口にした言葉をまた繰り返す。
「大丈夫、俺もいる。怖くないって。」
俺たちが向かっている先は、陽のお部屋。
勘が良い方は、真澄が何に怯えているかを気づいただろうね。
そう、同室者の山並大河くん。
あの不良くんが怖いのだと。
・・・全く、可愛いったらありゃしない。
既にジャージに着替えた俺たちは、昨日約束していた通り陽の部屋へと向かっている。
ちなみに、今はまだ5月だからね。
上は長袖だけれど、下はハーフパンツだよ。
いいよねぇ、生足が見れるよ。
とまぁ、そういうわけで。
陽の部屋に朝迎えにいくのは、真澄も了解した昨日からの決定事項だったわけだ。
ところが、朝になって陽から突然メールが届いた。
「大河も一緒に行くけど、いいよな?」っていう、一方的な確認メール。
それによって、真澄は怖がって行きたくないだなんて言っているわけだ。
食事の時なんかで一緒になるのは仕方ないけれど、出来るだけ関わりたくないんだそうだよ。
まぁねぇ。
俺だって敵視されるわ、きゃんきゃん吠えられるわで、あんまりいい印象は持っていないけれどねぇ。
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