嗚呼、素晴らしき | ナノ
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突然、凛とした声で呼びかけられた。

誰からって、それは・・・。


「何ですか、会長様。」

今まで笑顔で陽と山並くんに嫌味を言っていらした方から。


あれ、可笑しいね。
俺はただの傍観者なのに。

だけど、会長から話しかけられたことで散々罵声を浴びるのもいいかもしれない。
もちろんマゾではないけれど、面白いと思うんだよねぇ。

全てにどうやって反撃してやろうか、ってね。


・・・だけどねぇ。
何故かさっきから異常なくらい食堂が静まり返っているんだよねぇ。
先ほどまでは陽への罵詈雑言が酷かったのにねぇ。


「会長様、か。おまえ、こいつと友達みたいだな」

くすり、と会長が笑みながら問うてくる。


瞬間、きゃああああ、と響いた叫び声に、ようやく安堵した。
生徒会が居るのに騒がしくない食堂なんて在ってはならないよね。

さて、俺への悪口も開始されるかしら。

内心でわくわくしながら、表面上は何も変えない。
器用な俺は、演劇部にだって負けやしないさ。
・・・萌えのためならね。


「ええ。かなり仲は良い方だと思いますよ」

ついでに、副会長を嫉妬させようと「かなり」の部分を少し強調しておいた。

瞬間、ぎゃああああ、と響いた叫び声。




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