嗚呼、素晴らしき | ナノ
∴御一緒にランチでも



さて、所も時間も変わって、今は高級レストランのような食堂での優雅なお昼ごはん。



「へぇ、山並が一緒じゃねぇか。一匹狼まで落としたか・・・。」

感心したように言いながら、陽の顎を持ち上げているのは会長だ。
その目からは明らかに楽しんでいることが分かる。

・・・つまり、会長は馬鹿じゃないんだねぇ。
自分の影響力も、この行動で陽が追い込まれることも見越して、それを含めた全てが楽しくて笑ってるんだ。

演技派で、自己中心的な愉快犯。
なんだか俺と仲良くなれそうだねぇ。


「うっせぇよ。陽に触んな!」

不良の山並くんが、牙をむき出して吠えている大型犬か狼のように見える。
俺の目は、やっぱり腐ィルターがかかっているのかな。


「バ会長が、食事中まで来るんじゃねぇよ!」

心底嫌そうに手を振り払う陽と、そんな陽にいたわりの言葉をかける副会長。
実はこっそり抜け駆けしているあたり、副会長も狡猾で腹黒いなぁと思う。

そして周りからは陽への非難の声と、会長達への賞賛の声が響いている。
まったく高校生とは若さからか賑やかだねぇ・・・。


かくいう俺は真澄と、その向かい側でのんびりとお昼ごはん。

この光景は実はもう定番であったりする。



真澄は、どうやら気配を隠すのがお上手のようだ。
上手に、平凡ながらも無害だという脇役の位置をゲットしている。

俺はというと、誰も否定できないような堂々とした態度で食事をしている。
だって俺は間違っても居ないし、非難される云われも無いもの。


かくして、この昼食風景は、異様ながら定番になりつつあったのだ。
この3日間は、のお話だけれど。



「おい、」



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