嗚呼、素晴らしき | ナノ
∴仕方ないじゃない






「ふ―ん、鬼ごっこかぁ…」

机に頬杖をついている陽が、腑に落ちない顔で呟く。
時おり、まだ眠そうにあくびをしている。

…可愛いねぇ。
これはオタクな外見とのギャップ萌え、あるいは無防備さに萌えな場面だね。

無自覚に魅了するんだから、やっぱり王道編入生って素晴らしい。

しかし、いかんせん周りの反応が薄い。
こっちは見てくるが、陽に対するラブ光線は感じられない。
俺の腐要素探知機が故障でもしてるのかねぇ。

それにしても、やっぱりSクラスは人気だ。
毎時間、廊下で見物人が列を作っているもの。
滑稽でいじましい限りだ。


とりとめのない思考を繰り返しつつ、陽に適当に頷く。

ちなみに、陽は相変わらずの王道編入生スタイルだ。
その人目を全く気にしないあたりは、尊敬に値する。
あまりにも王道編入生すぎて、たまに笑ってしまうけれど。

変装については俺はまだ触れていないし、陽も食堂のあれ以来、生徒会との目立つ接触はない。
つまり、まだまだ始まったばかり。


付け足して言えば、陽は親衛隊から嫌がらせを受けるようになったし、それに、

「おい京、俺の話聞いてねぇだろ」

このように、なかなかに仲良しになった。




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