嗚呼、素晴らしき | ナノ
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俺は身を持って知っている。
この学園の敷地の広さは半端じゃない。

学園全て、だなんて森も含まれるのだから、あまりに無謀だ。
逃げる側に絶対に有利じゃないか。


そう言うと、委員長は苦く笑った。

「だから鬼が圧倒的に多いんだよね。全学年一斉に行うけど、だいたい逃げる側の2倍の数が鬼だね。」


…それはそれで、面倒だねぇ。

だけどねぇ、俺は思ったのだよ。
これって実は、とても素晴らしい競技じゃないかな。

考えてくれ。
ONIGOKKOというやつを。


まるで鬼畜を連想させる“鬼”
追い詰められる恐怖、逃げ惑う獲物。

隠れて息を潜める空間。
忍び寄る魔の手!

追わなければならない、
逃げなければならない、
厳しい宿命。
その追う者と追われる者の間に生まれる、禁断の恋!
協力しあう追われる者の間に芽生える、友情以上の何か!


…も、萌えるじゃないか!
素晴らしいよ、鬼ごっこ!



これは、是非とも陽を参加させなくては。
きっと楽しめると思う!
主に俺が。

あぁ、真澄もこれを選んでくれないだろうか。
こういう時、隣のクラスだなんて事が悔やまれるよ。

だが、たかがそんな障害に邪魔などさせはしない!
俺の執着心は無敵だもの。


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