嗚呼、素晴らしき | ナノ
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「京、驚きすぎだって。」

呆気にとられた俺に、涼太がしてやったりという顔で笑いかける。

おまえが企画したわけじゃないだろう、という突っ込みは置いておこう。


なんで、鬼ごっこがクラスマッチの種目に堂々と並んでいるんだ。


「委員長」

挙手をして、委員長に説明を求めることにした。
何故、涼太に聞かないのか。

委員長の方が賢くて、説明上手だからに決まってる。
悪いね、涼太。


「外部生の俺には、鬼ごっこのわけが分からないのだけど。」

首を傾げたままの俺は、委員長を真っ直ぐ見て尋ねる。

ちなみに委員長は、真面目でメガネをしている優等生という、いかにも委員長といった外見だ。
親しみやすい人柄だがね。


「あぁ、説明不足でごめんね。鬼ごっこは普通の鬼ごっこだよ。」

小さく笑った委員長は、丁寧に俺に説明をしてくれた。


なんでも、鬼ごっこは結構ハードな競技らしい。
この学園らしく特色づけるための特殊競技で、ルールは普通の鬼ごっこ。
ただ、制限時間制で、逃げる側同士で救い出しも出来る。
…俗に言う、ケイドロという奴だねぇ。

逃げる側を閉じ込める檻も設置され、全員にトランシーバーが配布される。
範囲はなんと、この広い学園全てだ。

檻に無線だなんて、無駄に本格的じゃないか。
この学園らしく無駄にお金をかけているわけだね。




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