嗚呼、素晴らしき | ナノ
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会長の後ろにいる2人は、書記と会計。
言わずと知れた、クール眼鏡の書記と可愛い会計だ。


書記の方は、実は俺と同じクラス。
生徒会特権の授業免除で、よく仕事に駆り出されているねぇ。
大変そうだよ。

名前は一ノ瀬唯(イチノセ ユイ)。
黒髪黒目に薄いフレームの眼鏡、制服もしっかりと着こなしている。
そして知的な外見通りに、優秀で冷静な優等生だ。
彼もまた美形だが、やや線が細いからか美人とも分類出来る。


一ノ瀬くんの隣に居るのは、南山満(ミナミヤマ ミツル)。
高校2年の男子とは思えないほど可愛らしい。
華奢な体に、白い玉のような肌。
キラキラ輝く茶色の大きな瞳と、その周りを縁取るクルリとカールした睫毛。
亜麻色の髪はふわりとしていて、柔らかな印象を与える。
朗らかな声や笑顔と共に、美少女以上の可愛らしさがある。

ここに庇護欲を感じるのだろうねぇ。
まぁ確かに可愛いもの。



俺が嬉々として生徒会を観察している間、副会長は「教えない」と言い切り、沈黙を貫いた。

分かりますとも、独り占めしたいのだよね。
独占欲や嫉妬心が強い腹黒さんだからね。

…興奮しすぎて、ポーカーフェイスを保てているのか不安になってきた。


「拓ちゃんが触らせるなんて、お気に入りなんだねぇ。」

えくぼも似合う南山先輩への歓声と共に、陽に対する非難の声が聞こえてきた。


「ガリ勉オタクじゃねぇか。趣味悪いな。」

嘲笑を含んだ会長の声が響く。

全く、満点の反応だよ。王道展開としてはね。
人間としては難ありだけれども。
だけど、そのうち溺愛するようになるさ!




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