嗚呼、素晴らしき | ナノ
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「よし、じゃあ食堂に行こうか。」

すぐに妄想の世界に飛び、危うくにやけそうになる自分を叱咤する。

妄想は1人の時にすれば良い。
今は、この状況を精一杯に謳歌しないと勿体無い。


「そうだね。」
「おぅ、よろしく」

ニヤリと口元を歪める笑みは、なんとも男前だ。
ボサボサの髪とメガネで、鼻から上はよく見えないんだけども。

…美人攻めとか女王様攻めもいいと思うんだよね。
あえての俺様会長受け、とかね。


だけど、陽には王道を行ってもらうよ。
それ以外の道なんて、全て全力で阻止してやるさ。


理由は単純明快。
俺が見たいから。

精神的悦楽主義、功利主義な俺は、自分の喜びのことばかりを考える。
だから、陽が望まなくとも王道しか歩ませない心意気だ。

性格悪いねぇ。
だけど、悪いとは全く思わない。
これだって個性、だろう?


心の中でわらいながら、真澄と共に陽に学園についての説明をした。



楽しみだなあ、食堂!
きっと今日こそ生徒会が来る!

入学式の季節は、やはり生徒会は忙しいみたいでねぇ。
真澄と食堂に通ったんだけど、式以外では見ることも無かったよ。
生徒会には授業免除や食事デリバリーの特権がある所為かな。

変わりに、やたらフレンドリーな知り合いが何人も増えたんだけどね。
真澄の良さに気づいてくれたのかな。

俺1人の時もかなり話しかけてくる。
名前を覚えてもないのにねぇ。




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