嗚呼、素晴らしき | ナノ
∴4


「何でだよ。」

唇を尖らせたのは、可愛らしく拗ねた様子を表現したいのか。
先生がやっても、俺は萌えないねぇ。
残念ながら、範囲外かな。

クラスの何人かは悶えていたが、俺はあっさりと切り捨てた。

「早く藤浦くんと話したいだけです。」

ぜひぜひ、仲良くなりたいからね。
きっと、この子は事件とBLを俺に提供してくれるよ。

だって、王道編入生だもの。


「・・・まぁいい。じゃあ、今日も頑張れよ。」

先生はつまらなさそうに肩を落としながら出て行った。
何が気に入らないんだか。


とにかく、待ってましたとばかりに身体ごと横に向き直る。
その勢いに、陽がちょっと引いたのは無視しよう。

俺のとってもデリケートな心が若干、傷ついたけれど。
これからのBLが癒してくれるだろうからね。


「陽は、何号室?」

僕は4008号室なんだけど、と言いつつ首をかしげる。

「ああ、俺も4階。」
だけど、部屋は分かんねぇや。

困ったように笑う陽に、カードを出すように求める。
王道学園のカードは、クレジットカードであり、生徒手帳であり、ルームキーだ。

端のほうには、部屋番号が書かれている。



「…なに、それ。」




[prev] | [next]

back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -