嗚呼、素晴らしき | ナノ
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「はじめまして。千島京です。お隣さんとしてもよろしくね。」

席に座った藤浦くんに早速、にこやかに話しかける。
行動力って大切だよね。


「あ…うん、よろしく。」

藤浦くんもぎこちなく答えてくれた。

テンションが上がって、どうしようもない。
戸惑ったような雰囲気だけど、ちょっと素が出てるねぇ。

いいね。
それでボロを出して、生徒会に感づかれるんだ…!

お隣さんの俺は、じっくりと、いやじっとりと眺めておくよ。


「えっと…、千島くん?」

「京でいいよ。気なんて遣わずにどうぞ。」

小首を傾げて話しかけてきた藤浦くん。
この変装の下の素顔が見たい…!
変装だって本人からは聞いていないけど、俺は確信しているよ。


「じゃあ、京。俺は陽でよろしく。」

「こちらこそ。」

素に近い状態で話してくれるようになった。
その急接近に、嬉しい俺は満面の笑みでうなづいた。


「あのさ、今ってSHRだよな。」

「そうだねぇ。」

陽はここで居心地悪そうに広い教室を見渡した。


「なんでみんながこっちを見てるわけ?」





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