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木の根元に2人で座る。
木陰は存分に有るし、涼しい風も吹き抜ける。
可愛らしい小鳥のさえずりさえ聞こえてくる。
…本当に現実なのかな、これは。
どう考えても、学校という場所で目に出来る光景じゃないよね。
「疲れた―…」
はぁぁ、と長く息を吐いて真澄は苦笑いをした。
「同感。」
密やかに笑いながらうなづくと、横目でこっちを見た真澄はまた一つため息をついた。
「京が僕より体力あることも悔しい。」
おやおや。
可愛らしいねぇ。
「真澄は細いからねぇ。仕方ないよ。」
色も黒くない。
線も太くない。
ほら、いかにも受けな平凡さ。
だから俺としては、今のままがベストなんだけれども。
「…京だって細いじゃんかぁ…」
「無駄な肉が無いんだよ。」
俺は無駄が嫌いだからね、そう笑うとさらに悔しそうな顔をした。
すぐ顔に出るのも可愛いし、プラスポイントだよね。
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