∴影の支配者
(司×京)
こらえきれなくて、くすっと笑みがこぼれた。
「なんだ、京」
手元の書類から顔をあげ、司はすぐに反応してくれる。
相変わらずかっこいいなあ、だなんて惚気ながら、にこやかに笑ってみせる。
「ねぇ、暇なんだけれど」
いたずらっ子のように笑えば、司は軽く嘆息した。
だけど、その目元はとろけるように優しく、口元も少しあがっている。
もちろん、俺にしか優しくなんてしないけれどね。
そして俺も、司にしか甘えない。
「何かイベントでもやるのか」
書類を置き、椅子をひいた彼の元へ行けば、ごく自然に腰を引き寄せられる。
肩に手を置いて向かいあうと、首を傾けた。
「ん―、企画は面倒だから、なんか事件でも起こそうよ」
そこらへんの奴を操ったり、情報操作したり。
にこっと笑えば、司は何も言わず口づけをくれた。
いつものように俺も、腕を回して応える。
俺たちだけの風紀委員室、不可侵領域。
ふふ、さあてと。
どんな事件を司と2人で起こそうかな。
[prev] | [next]
back