嗚呼、素晴らしき | ナノ
∴まずは下準備


真澄に断りを入れ、私室に入る。
後ろ手に扉を閉めると、溜息と共にもたれかかる。

さすがだよ。
ここまでくると、いっそ清々しい。

どこまで贅沢なんだ。
現代の人々は無駄遣いが過ぎる気がするよ。


リビングと同じように綺麗なフローリングの床。
質のよさそうなベットと机。
カーテンは二重で、レースのカーテンもある。
壁にはクローゼットのものらしき取っ手。
極め付けには、洒落たデザインの時計まで掛かっていた。

・・・この部屋って、一体いくらするんだろうねぇ。
マンション・・・ですむかねぇ。
ひとつひとつが、さりげなく高価な気がするのだけれど。


「気にしてはだめだ。」

与えてくれるのならば、享受させていただこう。
さりげなく学力特待生枠に入れたおかげで、学費も生活費も免除なんだから。

説明が遅れたけれど、この学校には特待生制度がある。
バカ高い学費のお坊ちゃま学園だからね。
金ばかりある馬鹿共ばかりにならないようにだろうよ。

学力、スポーツ、それぞれ毎年2人ずつ。
倍率はかなり高い。
しかも学力特待生は、入学後も学年上位5位以内という条件がある。
・・・目立ってしまうよね。
俺は目立たなくて、こっそり見れていればいいのに!


だけど、仕方ない。
俺の家は普通の家。
なんで俺みたいな子供が育ったのか謎なくらいだねぇ。
だから、こんな学園の学費なんて払えるわけない。


まぁ、そんなの障害にもならないけども。
俺の腐への愛、いや執着を舐めてもらっては困るよ・・・!



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