嗚呼、素晴らしき | ナノ
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へらへらしつつも淡々と話す双子曰く、今期風紀委員会のお披露目が長引いた原因は吾妻双子にあったらしい。

恒例のことであるらしいが、彼らは役員やらはいつも一緒にしてもらうそうだよ。
今回も、異例で副委員長が2人になっているらしい。

仲良しだよねぇ、とっても。
ふふ、これは兄弟愛でとどまるところなのかな。

でもまあ、俺としては陽の王道総受けが見たいんだけれど。
双子でのカップリングも素晴らしいから迷うんだよねぇ。


双子から後も風紀委員会の幹部の方々が次々に挨拶してゆく。
どの人もある程度は見目麗しく、そして何より優秀そうだ。

さすがに生徒会に並ぶ風紀委員会だけあって、役員になるにもしっかりと基準があるのだろう。
あの委員長は抜きにして、生徒会よりはずっと生徒に近い気もする。


「…なあ、京。」

隣からの小さな呼び声に視線をやる。
声音どおり、常とは違う真剣さで、陽がステージを見ている。


それを目にした瞬間、さあっと高まりかけていた心が冷めていく。

あの時のように、切り裂くまっすぐな純粋さと正義を、陽はステージへと向けていた。




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