嗚呼、素晴らしき | ナノ
∴全校集会とはすなわち


「へぇ、全校集会ねぇ・・・。」

なるほど、だからか。
どうりで今朝から生徒たちに落ち着きがないわけだ。

「把握しとけよ。」

大河の呟きには肩をすくめるにとどめておいた。
ざわざわと騒がしい周りと、鼻をくすぐる美味しそうな香り。
今は昼休み時間である。

ちなみに、サボってばかりだったけれど、実は大河はSクラスなんだよ。
クラスマッチからは、素晴らしく出席率が良いけれどね。
ふふ、ようやく陽と一緒に過ごす魅力が分かったのかな。

そしてかくいう陽は、まだ一生懸命に食事をしているため、こちらの会話には参加してこない。
可愛らしいこと。
そして毎度のことながらその食欲には恐れ入る。

「・・・すごいんだよね、全校集会。」

はあ、という溜息はなにやら重く響く。
すでに疲れた表情の真澄を見やれば、目を閉じて首を横に振られた。


そうだろうねぇ。
だって、神様のようにあがめられる生徒会の皆様を拝見できるのだもの。

真澄には悪いが、そこで騒いでくれなきゃ、こっちも困るんだ。
せっかく王道学園にきたんだから、男の黄色い声だって存分に聞きたいもの。

だってほら、ここを卒業したら滅多に耳に出来ないだろうしね。

俺様会長はさておき、生徒会役員は陽をお気に入りだから、きっと面白い絡みもあるだろう。
それに対する、嫉妬や怨嗟、罵詈雑言だって楽しみでならないよ。


「・・・あれ、もしかして。」

ふと思いつき、頬杖をついていた顔を上げる。
怪訝そうな顔をしている大河に、こてんと首を傾げて問う。


「全校集会には生徒会は全員参加するのかい?」

はっきりと縦に頷いた大河を尻目に、俺は心の中で眉をしかめた。
これは、ちょっと厄介事が起こりそうじゃないか。



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