嗚呼、素晴らしき | ナノ
∴その後の話


結局、俺はクラスマッチの終わりを救護テントで迎えた。
何の達成感も感動も有りやしない。
とはいっても、もともと達成感や感動の面では期待なんてしていなかったがねぇ。

鬼ごっこは鬼側の勝ちだった。
そして、俺は捕まったが陽と大河は逃げ切った。
その結果に対しても、何の悔しさも疲労感も感じない。


ただ、やはりSクラスは優秀なようだ。
バスケはなんと全体で2位。
涼太がかなり活躍したそうな。
順位づけのない鬼ごっこを除き、他の種目も上位だった。

Sクラスの先輩方や、不良クラスは当然ながら強かったがねぇ。


とにかく、クラスで喜びあった。
どんな学校でも、行事はクラスの絆を深めてくれる。

顕著な例では、陽に対しての嫌がらせに積極的に参加していたクラスメートが、陰口を叩くぐらいになった。


こうして、なかなかの平和が訪れ、陽もクラスに少しずつ打ち解けてきた。

夏まで目立った行事もない故に、陽やクラス、生徒会は落ち着いていた。
日常が始まったとでも言っておこう。

平和こそが最も厄介で、流れゆく日常の中にこそ非日常はあることを。


きっと、陽は油断し、俺は期待していたんだ。






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