(3)
即座に拒否した俺に、肩をすくめて黒崎は言う。
「文化祭の予算案だ」
…!?
なんですと…!
文化祭って言えば、萌えのパラダイス的なお祭りだろ!
メイド喫茶とか、バンドとか、お化け屋敷とか、劇とか!
ああっ、遊廓もいいっ! もちろん女装でな。
意外な一面にドキッとか、女装にムラッとか、汗流して協力してキラッとか、抜け出してアハンとか…!
うわ、来た。
待ってました、文化祭!
さあさあ、俺にたっぷり萌えをくれよ!
心の中でのたうち回りながら、ハアハアと叫ぶ。
表面は、あくまで余裕綽々な俺様だけど。
「ここの文化祭ってどんな?」
期待にるんるんしながら、あくまで自然にさらりと尋ねる。
「ただのバカ騒ぎ」
…おいコラ、馬鹿にしてんじゃねぇよ。
バカ騒ぎできるのは、若いからだろ。
祭りみたいな文化祭は青春の大切な一場面だろ。
青春で若い、イコール過ちを犯すだろ。
つまり、若気の至りでの恋愛! やべ、悶える。
たは―、自分で妄想して悶えれるなんて、腐男子って素晴らしい。
周りに迷惑かけないし、お金かからないし、地球に優しい。
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