腐男子先生シリーズ | ナノ
(腐男子先生と生徒会長)


「ほんま最っ悪やな、御堂(ミドウ)。空気読めや」

チッと盛大に舌打ちする篠原に顔が引きつる。
さすが犬猿の仲、醸し出すオーラが半端なく怖いっす。

でも御堂が来てくれて貞操の面では非常に救われた。ありがたい。
…プライドやらメンツの面ではずたぼろだけどな!

睨み合う2人に、どういう反応をすればいいのか途方にくれた。
御堂が持ってる書類はぐしゃぐしゃになってるし、どうしよう。
とりあえず、今のうちに篠原の腕の中から抜け出そう。
冷静になると、こんな至近距離にイケメンがいるって恥ずかしい照れる居たたまれない。

そっと篠原の胸を押すと、流し目で睨まれた後ににっこりと笑われた。

「ちょお、待っててぇな」

え―、嫌だ。
待った後に何する気だよ。ナニする気だろ。
目が笑ってねぇよ、怖ぇよ魔王サマ。

「待たねえよ。さっさと仕事に戻れ、猿」

言葉と共に、御堂が投げた書類の束が篠原の頭を直撃した。
精度、威力ともに最高クラス。さすが生徒会長、こういうところも完璧だなあ。

おかげで魔王サマのお顔が恐ろしいことになってますけどね!
魔王サマの口から呪いの言葉がだだ漏れ中ですけどね!

「…しゃあない。また今度な、先生」
「慎んで遠慮しとく」

意外とあきらめ悪いな、風紀委員長。


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