腐男子先生シリーズ | ナノ
(3)


素早く距離をとりつつ振り返れば、怪しく笑うその保険医。

緩やかに波打つ茶髪と、やや垂れ気味な目からフェロモンが大量放出されている。
加えて、いつも着用している白衣ときたら、立派なセクシー保険医だ。

いや、こいつはただの変態か。
ふふ、と楽しげに笑う声は甘ったるく、視線は大抵流し目、手つきはなんかいやらしい。
存在自体がセクハラだと思う。

「またふざけたこと言いやがって」

冷たい目で拒絶しながらも、内心はびくびくしてる。
だって、変態って扱いにくいし怖いじゃん! 萌えの前に身の危険を感じるじゃん!

「ふふっ、つれないね。ああ、可愛い。…勃っちゃいそう」

……おまわりさ―ん!
堂々と猥褻表現しだすんだけどっ!

変態どころか、アダルトな世界にも免疫がない俺はもう泣きそうだ。
いや、俺様ホスト教師は演じ続けるけど、心が折れそう。

誰かこの変態を駆除してください。
世界平和のためだ、頼む!


「ここまで来たんだから、保健室で休んでいきなよ」

なにそれ、地獄へのお誘いですか。
アダルトなあっちの変態世界への片道切符ですか。

無理、本能が警鐘を鳴らしてる。
近所迷惑な騒音レベルで、必死に打ち鳴らしてる。

「変態に付き合うほど暇じゃねぇよ」

自由とか暇ってすごい好きだけど、変態と過ごさなきゃいけないならいりません。
喜んで、ずっと休みなしで働きますとも。




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