短編 | ナノ
(すき焼きちゃん)



「おでんパーティー大成功だったね―」
「ん」
「お、ご満悦だな」
「あー、次はアレが食いてぇな」
「何が食べたいの、ハゲ!」
「ハゲ言うな。・・・すき焼き」

「好きだから?」



すき焼きちゃん



「超かわいかった! ナイスだぜ、ハゲ!」
「頭がさっぱりしてる分、流石に冴えてるよね―」
「うっせぇよ!!ハゲじゃねぇ、スキンヘッド!」
「黙れよ。」

スキンヘッドで遊ぶ金髪と赤メッシュを一言で諌めて、黒髪はひそやかに笑った。

「にしても、可愛い奴。」

全員の脳裏に浮かぶのは、同じ人物。
色素の薄い中性的な超絶美人だが、世界とはずれまくってる仲間。


「すき焼きもいいよね―」
いわゆる不良な見た目に反し、ゆったりとしている赤メッシュがにっこり笑う。

「肉、多くしような!」
元気でパンクな金髪チャラ男が拳を突き上げる。

「よし、すき焼き!」
堅気に見えない兄貴肌スキンヘッドは、気合を入れて立ち上がる。

「おまえの全額負担な」
トップモデルのような魅力あふれる黒髪がそのあとに続く。

がやがやと騒ぎながら、スーパーに向かう一行。
かなり異様な光景であることは間違いない。


4人組+すき焼きちゃん

―お前らが好きだ!
  すき焼き食おうぜ!―




つまりは、そう。

みんなで食えばなんでもうまいってこと。





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