(:repeat:)
愛してるよ
彼のその言葉を信じて、俺はまた繰り返す。
「愛してるよ」
仕事を終えた後、俺はいつもそう呟く。
勿論、赤に沈む奴らを愛してるわけじゃない。
ただ、なんとなく。
どうにも居たたまれなくなって、胸の痛みを殺すかのように呟くのだ。
愛してるよ、と彼は言う。
俺はそれに縋る。
愛してるよ、と彼は微笑む。
それは、明確な拒絶と絶望を隠す言葉。
愛してるよ
そう彼を真似て呟くことで、俺も自分の罪から逃げようとしているのかもしれない。
ひっそりと響いた贖罪は、でたらめに闇へと帰化する。
帰ろう、彼のいる場所へ。
独りから逃げよう。
自分の逃げ場はあそこだけ。
彼に利用されても構わない。
彼が嘘をついていても俺は独りになりたくない。
愛してるよ
彼の言葉を信じるしかなくて、愚かな俺は繰り返す。
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