かぞく2


「で…あ、そうそう。隊長の事な!」


楽しそうに話すサッチさんの話を要約すると…

白髭海賊団はこの5隻の他に43の海賊団が傘下にいるらしい。

その全てを集めると5万人を超えるというのだから驚いた。

この本隊では、船長の他に16の隊に別れてそれぞれが纏まっているらしい。

そしてその隊のひとつひとつに隊長が居て、大体100人くらいの隊の人達を纏めているそうだ。

つまり本隊だけで1600人いる計算になる。

その他にも船医やナースもいくらかいるらしい。

驚いたわ。

大家族どころの話じゃないわね。

そして今私の前に集まっている人達がその隊長達だそうだ。


「見てわかるとおり、あの人が俺達の親父であり、この船の船長のエドワード・ニューゲート。通称白ひげだ」


とても嬉しそうに、そして誇らしそうに。

声を少し荒げて紹介してくれた。

彼もそうだけど、みんな嬉しそうね。


「グララララ。親父と、そう呼べばいい」

「私も?」

「あぁ。好きに呼べ」

「…そう」


おやじさんで良いかしらと考えていれば、サッチさんの「それから、」と言う声にまだ紹介の途中だったと思い出した。


「俺はさっきも言ったとおり、4番隊のサッチ!で、向かって右奥から…」


そう言って振り向くサッチさんの後ろから、ご丁寧におやじさんの周りに集まってくれた方達に目線を移す。

サッチさんが指さしたのはおやじさんの後ろ、私から見て一番右側に立つ人。


「9番隊のブレンハイム」


隊長達の中で一番大きな、三つ編みを頭の上高くで結んでいる人。

おやじさんよりも大きいわ。


「10番隊のクリエル」


武器を沢山持った、サングラスのようなものをかけてる人。

寡黙そうね。


「11番隊のキングデュー」


手に重そうな武器を付けた金髪ボブの人。

なんというか、派手な印象だわ。


「6番隊のブラメンコ」


口の下にポケットのような物を付けたオーバーオールを着た人。

あれ、飾り?

どうなってるのかしら?


「3番隊ジョズ」


防具を着てどっしりした大柄な人。

難しそうな顔する人ね。


「15番隊フォッサ」


長い刀を持って葉巻をくわえた、これまた大きな人。

始め見たときからくわえてるけど、縮んでないわよね?

まさか二本目?

程々にしなきゃ、肺悪くなるわよ。


「13番隊アトモス」


頭に角が付いた帽子をかぶった、これまた大柄な人。

名前がそれっぽいわね。

この船、おやじさんもそうだけど。

とても人間だと思えないくらい大きな人が多いわね。

もう、首が痛いったらありゃしないわ。


「前にいって、左から…」


今度はおやじさんの前に立つ、私から見て一番左側の人を指差した。


「7番隊のラクヨウ」


重そうな鉄球を持った、くるくるとした髪をオールバックにしてダーバンを巻いた人。

あの鉄球、顔が書かれて…と言うよりもあれは顔なのかしら?

しかも浮いてるわよね?

…よく分からないわ。


「14番隊のスピード・ジル」


槍のような物を持った小柄な人。

なんだか速そうな名前ね。


「1番隊のマルコ」


あの、特徴的な髪型の冷たい人。

今思えばあれはバナナね。


「8番隊のナミュール」


一言で言えば魚の様な人。

失礼だけど、人間ではないわよね?

この世界は、不思議だわ…


「12番隊のハルタ」


さっきの王子様の格好の人。

やっぱり隊長なのね。

何歳なのかしら。


「16番隊のイゾウ」


あの着流しの彼。

やっぱりどう見ても女性と間違えそうだわ。


「今いる隊長はこれだけだ」


みんな名前を呼ばれる度にそれぞれ頭を下げたり手を拭ったりと反応を示してくれた。

これこそ個性豊かに。

何でもありだし。

物語の中みたいだわ。

というか、あれね。

ここは不思議の国ね。

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