05.守りたい


「こ、殺さないでくださいっ!」

「あぁ?さっきまでの威勢はどうしたよい」

「だって、」


夢だと思ってたもん!

まさか本当に現実だなんて思わないでしょう!?


「だって?」


エースくんが首を傾げてこちらを見ている。

いや、だって。

こんなの非現実的すぎるし。

こんな、みんなの憧れの世界の、こんなにイケメンな方々のところにだよ?

平凡通り越して地味でデブでブスな私がとばされるはず無いもん。

だって定番は細く可愛い女の子で逆ハーでしょ?

こんな私を選ぶなんて、どうにかしてる。

神様の目、大丈夫なのかな?

いや、ね?

私的にはとてもとてもとってーも有り難くて、土下座しても足りないくらいだけどさ。

でも、だよ?

眼科行った方がいいよ。

うん。

ってか天国に眼科なんてあるっけ?


「…よく喋る女だよい」


マルコさんの呟きに、思った事を全て口に出してしまったことに気づいた。

とにかく、どうしよう…


「そうだ!お願いします!親父さまに会わせて下さ」

「却下だよい」


なっ!

即答!?

いや、断られるだろうと思ってたけれども!

遮るなんて酷いよ!


「縄で縛っても首輪付けても言いですから!とにかく親父さまに」

「得体の知れねぇ奴を、親父に会わせるわけあるかよい」

「……っ」


親父さま大好きなの知ってるから!

それが白髭海賊団の良いところなのも重々承知の上だから!

でもこういう時はめんどくさい!


「…良いんじゃねえか?マルコ」

「話だけでもさせてやれよ」

「却下」


エースくんとサッチさんの言葉も一刀両断。


「っ!人でなし!ひっどいよ強いくせに!こんなガキにビビってるわけでもないんなら会わせてよ!ちょっとルックスが良いからって何でも許されるワケじゃないんだからね!この…パイナップル頭!」

「パイ…!?」

「「「ぶっ!?」」」

「あははははははは!」

「ぎゃはははははは!!」


私の一言にマルコさんの頭には青筋が浮かび、笑ったエースくんとサッチさんは拳骨をくらった。








守りたいもの


それはきっと、同じもの


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