34.変える事


お、あの船内から出てきた暇そうな人はエースくんではないか!


「突撃せねば!」

「どこにだよい」

「エースくん!」

「……何しに…」

「愛を呟きに!」

「…なんだそれ」

「とっつげき!えーえーすくーん!」


マルコさんの呟きを軽くスルー(違うよ!聞こえてなかったの!)した私はエースくんに向かって走り出す。

私は勢いをそのままにエースくんの腰に腕を回して後ろから抱きつく。


「どわあ!?って、さやか?」


器用にこちらを覗いたエースくんに問いかける。


「なーに疲れた顔してるんですか?あ、報告書終わりました?」

「まあ、な」


苦笑気味に答えるエースくん。

そんなに早く終わるならいつもさっさとやればいいのに。


「あ、親父さまのちゃんとしたマーク!」


目の前にある白ひげのマークに手を添える。

白ひげ海賊団の…

エースくんの…

みんなの、誇り。


「かっこいい」

「だろ!!」


私の言葉に一気に元気を取り戻したエースくんは、クルリと向きを変えて私と向かい合う形に。

それはもう眩しいくらいにキラッキラした笑顔で私を見つめてくる。

そそそそ、そんなに見つめるでないわ!

なんだこの可愛い子犬は!

見えない尻尾をブンブン振ってるんですけど!


「あーもう!やっぱり大好き!」

「うおっと。はは!俺もだ!」


あー幸せ幸せ!

幸せ絶頂!

このままなら昇天できる気がする。








変える事が出来ないのなら


いっそ壊してしまえばいい


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[mokuji]

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