26.輝く


「次はどこ行くんですかー?」


マルコさんの船内案内。

本当はもの凄くはしゃぎたい。

でも今はほどほどに押さえている。

それでも好奇心が勝るから忙しなく動いてるけど。

え、なんで押さえているかって?

だってそれは…


「………」

「…なんだよい」

「いーえー」


さっきからずっと、眉間に皺が寄ってるんだもん。

怖いじゃん。

理由は知らないけどさ。

流石に学習するよ。


「この階は、大体が隊長格の部屋だ………て、覗くなアホ」

「いだっ」


また殴ったぁぁぁぁ!

酷いよぅ…

グスン。


「…さっきのが俺の部屋だよい」


へ?

…何故に教えてくれた?

私に教えて、何か良いことでもあるのか?

いやいや、ないない。

あるはずがない。


「あ、暇なとき遊びに来いと?」

「んなワケあるかよい」

「即答!?」


うわーん。

さやかちゃん泣いちゃうぞー。


「ここが親父の部屋だ………だから覗くな」

「いてっ」


ほんっとにマルコさんって女の扱い酷いよね。

もっと紳士かと思ってたのに。

親父さま、どうやってこの子育てたんですか。

次の食堂で最後かねぃ…なんてぶつぶつ呟いているパインさんの後ろを頬を膨らませて歩く。

あ、そういえばこんだけ歩いたのにあんまり疲れてない。

スピード、緩やか?

考え事しながら歩いてるからか?

いや、でもさっきはただ歩いてただけだし。


「……」

「…なんだよい」

「べーつにー」


変なとこで紳士だな。


「ここが食堂だよい」


わお、もう着いたのか。

入り口がそこそこ広いな。

きっと中も広いんだろうな。

この船でかいし多いからな。

廊下の長さとか階数とか部屋とか。

特に親父さまの部屋とか。

だからもう驚かないぞ。

見慣れたはずだから!

ギィッと音を立てて開いた扉から中へ入る。


「なっんじゃこりゃあ!!」

「煩ぇよい」


眉の皺を増やして怒られました。








輝く目は


初めてだから、しょうがない


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