17.厳しい


ほら、麦わら海賊団にもいるじゃないか。

あのツッコミ上手な方向音痴が。

…マリモだけど。

器用なようで不器用な。

彼はきっと、そんな人。


「…そこがまたいいんだよね!萌える。」

「そのまま燃えちまえば良いよい」

「ぎゃあぁぁぁぁあ!って、マルコさん!」


いきなり後ろから声をかけるでないわ!

心臓止まるかと思ったじゃないか。

全く。


「やっぱり中身も」

「黙れ」

「いったああああい!!」


まだ言ってない!

バナナのバもまだって言ってないよ!

酷い!

そして頭を殴るな!

頭を!!


「馬鹿になる…」

「心配するな。もう十分馬鹿だよい」

「酷くないですか!?」

「普通だよい」

「アンタの普通と私の普通を一緒にするなぁぁあ!」

「この船にいりゃぁこれが普通だよい」

「そりゃアンタのトコのクルーが普通じゃないからでしょう!?私一般ピープルよ!!」

「………」

「そして無視ですか!!ここまで来て無視とか…!」


また船内に歩いていくマルコさんを見ながら地団駄を踏む。

私の扱い、どうよこれ…

神様も吃驚よ。


「…バナナ食べたい」


怒りと本音が混ざった言葉。


「聞こえてるよい」


扉を開けて壁に背を預けてこちらを睨んでいるマルコさん。

地味に青筋浮かんでますよおにーさん。

見聞色、厄介なり…!


「むむ…っ……あれ?」


そういえば何で待ってんの?

あ、なんか来いって言ってたような?


「船内見てこい」


理由が理解できずに顎に手を当てて悩んでいると、親父さまの声が降ってきた。

思わずマルコさんを凝視する。

マジすか!

そのために待っててくれたの!

あのバナナが!


「その口塞いでやるよい」

「きゃっマルコさんのへ・ん・た・いっだああああ!!」








厳しいのは優しさから


全てはきっと、裏返し


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[mokuji]

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