14.守るため side Marco 「ちなみにこのブレスレットはエースくんの首飾りの真似っこです!」 「マジか!」 「マジです」 「いやー嬉しいなあ」 「こういう子いっぱいいますよー 私なんて序の口!エースくんと同じ格好する人だっているんですから」 「へー!」 きゃいきゃいと盛り上がる2人。 それをほほえましそうに見るクルー達。 きっと「若いなあ」とでも思ってるのだろう。 「………」 俺は…? 「……、」 「…グラララ!おいさやか」 「へ?あ、はい!あっ、ごめんなさい話の途中で…!」 「いや、そうじゃねえ」 親父の言葉に首を傾げるさやか。 親父はいったい、何を言う気なんだ? 少し、嫌な予感がした。 「お前ぇ、俺の娘になるか」 「…っ!」 俺は耳を疑った。 娘、だと…!? 「親父…!」 「なんだ」 「俺は反対だよい!異世界から来たって話が本当だとしても、こんな何も出来ないような女を船に乗せておくなんて危ないだけだよい!次の島までなら話は分かるが、なんで娘なんだよい!」 そうだ。 不思議な話だが、それをそれを取っ払っちまえば… こいつは、何もできない。 海賊なんかに不向きの… か弱い。 ただの女なんだ。 「こいつぁ俺たちを好いてくれてる。俺も気に入った。こいつらも少なからず悪いとは思ってねえ。それだけで十分だろ」 なあと、まっすぐに俺を見る親父。 確かに自分のことを… 家族のことを好いて貰えているのは悪い気はしない。 嫌われ者である俺たち海賊を好きになるような変わり者なんて、世界中探してもそんなにいないだろうからな。 だがそれとこれとは話が別だ。 海賊と言うからには、命をかけなければならない。 軽い気持ちで入れるところじゃないんだ。 況してやこんな… 何もできない女を、こんな荒れくれ者ばかりが乗る船に置いてやる義理もない。 「俺は、反対だよい」 守るためなら どんな事でも、やってやる [*prev|next#] [mokuji] top |