07.信じて 「だから、異世界の人。そう言われても、信じますか?」 「異世界って…どうやって来たんだよ」 「んー。友達と遊ぼうと扉の取っ手をつかんだらふわっとして…ドシン!あいたたた〜ってなってたら、誰だ!?みたいな?飛べたら良かったのに誰かさんみたいに飛べませんから…って!」 そうじゃん! ここにいるの本物だったんなら私… 「私よく黒こげにならなかったな…エースくんに感謝だわ」 「俺の能力知ってんのか?」 「はい!炎でしょ?マルコさんは不死鳥なんですよね!生で見たら綺麗なんだろうなあ…」 「スッゴいんだぜ!始めてみたときずっと目で追ってたほどだからな!」 「やっぱり!いいなあ…!あとジョズさん!ダイヤモンド!きっとあれを削ったら億万長者になれる」 「真顔で怖いこと言うなよ!」 「あはは」 「…話は戻るが、どうしてお前さんがここにいるのかってのは」 懐を弄くりながら質問してくるイゾウさん。 相変わらず美しいが、こうも現実を突きつけられると、騒ごうにもテンションが上がらない。 「…わかりません。帰り方も分からないので、海に落ちでもしたら帰れるかな〜なんて…」 そこまで言って言葉が詰まった。 もしそれで帰れなかったら? 一応泳げるけれど、体力のない私ならすぐに溺れる。 「苦しい、よねー…」 なにげに呟いた言葉に、エースの手がピクリと動いた。 「…どうしよう」 「…なあマルコ」 「却下だ。第一、話が上手すぎるよい。そんなでたらめそうな話、誰が信じるってんだい」 ズカズカと近づいてくるマルコさん。 「………っ!」 「おい、マルコ!」 「マルコ!」 気が付けば私の目線は、マルコさんよりも高くなっていた。 信じてもらいたければ まずは己からだと、誰かが言った [*prev|next#] [mokuji] top |