冒険の夜明け2


“東の海”にある小さな港村。

そこに1人の少年がいた。


「おれだって海賊になりたいんだよ!!!!」


少年は赤髪海賊団の船長と一年を過ごすことで海賊に対する憧れがより強くなった。


「海賊は楽しいぜェ」

「海は広いし大きいし!!」

「いろんな島を冒険するんだ」

「何より自由っ!!」


それに。

何より彼の懐の深さを知ったのだ。


「ただ酒をかけられただけだ」

「怒るほどの事じゃないだろう?」


海賊は楽しい。

それは長く航海する上でも必要なもの。

何事も楽しくなければ続かない。

だがその裏にある過酷さ、恐ろしさ、危険度。


「そいつは威しの道具じゃねェって言ったんだ…」


彼はお茶目な面もあるが…


「し!し!しまった!!油断してた!!どうしようみんな!!」


それも船のみんなに好かれる要素で。

愉快で楽しく。

でも境界線はしっかりと。


「どんな理由があろうと!!おれは友達を傷つける奴は許さない!!!!」


友達を何より大切にする彼。

それは時には体をかけるほど。


「ジャングズ…!!」

「腕が!!!」

「安いもんだ。腕の一本くらい…」

「無事でよかった」


彼はいつだって、少年の憧れだった。

海の過酷さ。

己の非力さ。

彼の偉大さを少年は知る。

そんな男になりたいと望み、いつか海賊王になると宣言する。

そんな少年に自分の子供時代を重ねた彼。

彼は己の麦わら帽子を少年に託した。





時が過ぎること10年。
麦わらの青年の冒険は彼と同じ場所から始まった。


「海賊王に おれはなる!!!!」






始めに出会ったのはとても気の弱い泣き虫な少年だった。


「ぼくでも…海軍に入れるでしょうか…!!」


少年は麦わらと出会ったことで成長し、夢に向かって突き進んだ。


「ぼくは!! 海軍将校になる男です!!!!」






次に出会ったのは有名な賞金稼ぎ、“海賊狩り”だった。


『相変わらず弱いわね……男のくせに!!』


心優しい海賊狩りは亡き親友との約束を守るため、麦わらの仲間となった。


「おれの名を世界中に轟かせてやる!!!」





次に出会ったのは海賊が大嫌いな、海賊を専門として盗みを働く女、“泥棒猫”だった。


「何が何でも一億ベリー稼いで、私はある村を買うの!!」


村を救われた泥棒猫は、今度は自分の夢を叶えるため、麦わらの船に乗り込んだ。


「じゃあねみんな!!行って来る!!!!」





次に出会ったのは少々臆病な、“ほら吹き”だった。


「海賊が来たぞー!!!」


心優しいほら吹きは海賊の奇襲を嘘に変え、野望のために麦わらの船に乗った。


「キャ……!!キャプテンはおれだろうな!!!」





次に出会ったのは海上レストランで働く“黒足”の海のコック。


「そのクソジジイにとって このレストランは宝みてェなもんなんだ」


命を救ってくれた恩師に別れを告げ、夢のために麦わらについて行った。


「……長い間!!くそお世話になりました!!!」





船長の“麦わら”

剣士の“海賊狩り”

航海士の“泥棒猫”

狙撃手の“ほら吹き”

コックの“黒足”





仲間を集め、5人を乗せた船は今

“偉大なる航路”へ向かっている。

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