東一番の悪4


一方。

“東の海”に大きな笑い声が響きわたる。


「ニヒヒ!!なっはっはっは!!おれ達は“お尋ね者”になったぞ!!」


新聞から落ちた手配書を掲げて嬉しそうに笑うルフィ。

満面の笑みの写真の下の文字をウソップが読み上げる。


「生死に関わらず…3千万ベリー!!」

「3千万ベリーだってよ!!なっはっはっは!!」

「みろっ!!世界中におれの姿が!!モテモテかも」


ウソップの言葉にいち早く反応したのはサンジ。


「なに!?おれを差し置いて長っ鼻が載ってるだと!!」

「おい、どこだどこだ!載ってねェじゃねェか」

「ほーれ!」


ウソップが指さす先には、写真の左下の隅に小さく写る後頭部。

サンジは拗ねたように膝を折り曲げてウソップに背を向ける。


「後頭部じゃねェかよ。自慢になるか」

「イジケんなよ!もっと大物になりゃ、船長じゃなくても載るんだぜ」


ウソップの言葉にサンジの目がキランと光る。


「まじかよ!!」

「ま、君も頑張りな!」

「はりきって“偉大なる航路”行くぞっ!!ヤローどもっ!!」

「うおーっ!!」


なぜか勢いづくルフィとウソップとサンジ。

後2名は肩まで組んでいる。

馬鹿とは正にこういう者たちのために使う言葉ではないだろうか?

ナミもそう思ったのか、盛大なため息をつく。


「あんたら、またみごとに事の深刻さがわかってないのね…これは命を狙われるってことなのよ!?」


嬉しさに騒いでいる3バカにはナミの言葉も通じてなどいない。


「…これは“東の海”でのんびりやってる場合じゃないわね」


騒ぎに目を覚ましたゾロは、その会話を聞いてひとり考えていた。

…3千万ベリー。

この額ならきっと“本部”も動くし、強い賞金稼ぎ共が放ってはおかない。

今までの奴らとは、わけが違うぜ…

ナミもまた、同じ様なことを考えていた。

危険性を理解していなくただ騒いでいるのは、3バカだけだった。


「それそれっ!!」

「“偉大なる航路”っ!!」


楽しそうな声が響く。

やはりこの船は、自由である。

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