ある街には教会があって、そこではシスターが毎朝礼拝を行っているらしい。桃源郷だ。そこに行けばわたしの偶像崇拝は現実になる。
「ミョウジ、何をぼーっとしてるんですか。上官の帰りぐらい敬礼でもして迎えてください」
「協会のある街に住みたいんです」
「ああ、燃えましたよ。綺麗さっぱり」
「マリア様ならお変わりないはずだ!」
「あそこ、キリスト教じゃありませんから」
知ったような口を聞きやがって。ハザマさんの髪色も綺麗さっぱり元に戻っていた。わたしの神は持続性に乏しいらしい。