休みだ。休暇だ。バカンスだ。二という数字に連休を付けてしまうこの労働形態の厳しさよ!
土日祝日なんて存在しないわたしに二日間も休みが出た。ハザマさんにわたしを連れて行けない仕事が飛び込んだという。
「浮気じゃありませんか?」
「違います」
「浮気だ! 他の女の家に行って、昼間から盛り合うつもりなんだ!」
「違います」
「わたし達ももうおしまいなのね……! ハザマさん、短い間だけれどわたしあなたうぉ」
「……これで満足ですか」
「はーい……お仕事頑張ってー……」
騒ぐわたしの口はハザマさんの唇で抑え込まれた。昼間っから、き、キスだなんて、ハザマさんはなんてハレンチでキザなんだ!
念を押すように渡された書類は分厚くて読む気が起きなかったけれど、日程欄は確かにわたしの二連休と重なっていた。 そもそも浮気だなんて疑っていない。大体ハザマさんといるけれど、この人は女っ気どころか同僚と遊ぶ暇も無いのだ。
「ハザマさんってもしかして友達いない?」
「免職されたくなければ黙っていて下さい」
かくしてわたしは二日間に及ぶ一人暮らしの権利が渡されたのである。