アセムの矛盾 | ナノ

第七の喇叭(人類の終焉!)


「わたしの純潔が……偶像崇拝が……」
「巫女になるわけでもあるまいし、いつまでぼやいているんですか。シャワー浴びないんでしたら先に行きますよ」
「股が痛くて立てない」
「少しは品良くなっていただけませんか。子供を犯したみたいで後味が悪いです」

 頭もぐわんぐわん揺れて、歩くどころか起き上がることすらできないわたしをハザマさんは抱き上げて運ぼうとした。うわあ、わたし裸だ。生まれたままの姿だ。こんなのお風呂場でしか見たことない。

「あー無理無理! 不安定!」
「それなら暫く寝ていてください」
「ぎゃー! 落とさないでー! お腹に響く!」

 結局ベッドに戻されて(信じられないことに放り投げられた)、これからシャワーを浴びるとか宣言しているくせにハザマさんはどんどん服を着込んでいく。一人だけ全裸だなんて、これではまるで露出狂の変態みたいだ。

「……申し訳ありませんでした」
「投げ飛ばしたことですか? いたいよー骨折したよー」
「……。もういいです。風邪を引かないようにこれでも羽織っていてください」

 横たわるわたしにハザマさんはコートを投げ付けてドアをバタンと乱暴に閉めてしまった。取り残されたわたしは色々思い出すと恥ずかしさで死にそうだったので寝た。起きた時に全部夢だったとか言われなければいいなあとは思う。





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