普遍的な物に憧れる。たとえば空とか、海とか、海とか(バリエーションに乏しい)、時代と共に形を変える神の時代はもう終わりだ(ボキャブラリーにも乏しい)。ユウキさんだって多分老いる。
「これからはアニミズムです。精霊信仰ですよ」
「それは随分と遡りましたね。原始人並みの知能指数のあなたにお似合いです」
「米粒一粒には七人の神が宿っているんですよ。卵も多分」
「何人ですか?」
「養鶏場を作って、ひよこを育てて、餌を与えて産ませて、加工して出荷するから五人です」
「小売業者は含まれないんですか?」
「浅墓だった……」
「反省を覚えたんですね。関心です」
ハザマさんはわたしの頭をくしゃくしゃ撫でて、片手でゆで卵を摘まんだ。丸呑みしてもえずかないなんて凄いよなあ。今腹を殴ったらそのままの形で出てくるんだろう。ちょうど緑だし、どこかの大魔王みたいに。