DONT TALK TO ME | ナノ

ONE

 煙草の過多で頭がクラクラする。心なしか吐き気も(吐いた)。
 わたしはダメになってしまったようだ。あの男を殺してから嗜好が変わってしまった。新しいことを始めたいとか、興味も無かったような音楽のシーディーを視聴するだとか、頭の中にある欲求の回路だけ別人になってしまったような気がする。

「おや、また煙草ですか。女性のくせに」
「ハザマさん? 男女差別ナンテ良くないですよ」
「似合わないって言ってるんですよ。お身体にも合っていないようですし、さっさと辞めたらいかがですか」
「うるさいなア! 人には色々あるんです、わたしに話しかけないでください!」

 ハザマさんの厭味に露骨に気が立ってしまう。変わってしまったのかもしれない、思考が短絡的になって、このままではハザマさんまでも(結論が出る前に考えるのをやめた)。


( 馬鹿馬鹿しい妄想に囚われている )

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「見えない臓器の名前は」
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